11月1日、ナゴヤドームで行われた中日-日本ハムの日本シリーズ第5戦で、中日の落合博満監督(53)が史上初の日本シリーズでの完全試合まであと3人だった山井大介投手(29)を降板させ、論議を呼んだ。
山井は指のまめをつぶして投げられない状態になり、八回の時点で森繁和バッテリーチーフコーチ(52)に「いけるか」と聞かれ「もう限界です」と自ら降板を申し出たらしい。しかもリードはわずか1点、日本一まであと1イニングという状況で、落合監督は岩瀬仁紀投手(32)への交代を決断した、というのが大筋のようだ。
とはいえ、これも断片的な談話をつなぎ合わせて浮かび上がってきた状況で、落合監督や森コーチ、それに山井ら当事者がきちんとした形で話したわけではない。真相が明らかにされないから、よけいに周囲は混乱した。
なぜ、落合監督は山井交代の理由をきちんと説明しなかったのだろうか。
確かに監督には選手起用や作戦をいちいち説明する義務はない。しかし例外として、山井交代の理由に限っては、ファンに対して説明する義務がある、と思う。日本シリーズ初の完全試合が達成されるかどうかというプロ野球始まって以来の歴史的な場面だったのだ。
山井を交代させたときのナゴヤドームの悲鳴にも似たどよめきは、落合監督にも聞こえたはず。大きな疑問が残ったままでは、いくら日本一になってもファンは腹の底から喜ぶことはできない。
ファンあってのプロ野球である。本当にファンと日本一の喜びを分かち合いたいのなら、落合監督はファンの身になって説明するべきだ。
きちんと説明していたら山井交代の是非をめぐって無意味な「論争」が巻き起こることもなかった。本当に山井にアクシデントがあったのならたとえ大記録目前といっても交代は正しい選択だし、落合監督が山井の出来に関係なく最初から九回は岩瀬で締める、と決めていたのなら、それもチーム戦略としては間違っていない。
ところが落合監督は、翌日になっても「言いたいやつには言わしておけばいい」とうそぶいたという。いったいどこまでファンを無視したら気が済むのか。そんな「オレ流」は、いらない。


by sam1970
背番号のないユニホームに歴史…